目的は何か? 要件は何か?
試験項目というのは、要件を満たしているかを確認するためにあると言える。
電車で英語の小テストの採点をしている人がいた。
彼らは嘘をつくような生徒ではない。
They are not student to tell a lie.
上記のように日本語の文章を英訳するというテストは、どのような要件を満たしているか確認するためのテストなのだろうか。
大雑把に言えば、
- 正しい構文で英文を記述することができる
- 適切な英単語の選択ができる
となる。先ほどのテスト項目をクリアする事で、1, 2 の能力を保有していると解釈できる。
では、これら要件というのは、何の目的を達成するために存在するのだろうか。
想定としては次のものが挙げられる。
- 日本語の文章を正しく英訳できる
- 英語で自分の考えている事を表現できる
前者については確かにその通りだ。1, 2 を満たさなければ、日本語の文章を正しく英訳できない。後者についてはどうだろうか。1, 2 を満たしていなければ英語で自分の考えている事を表現できないのは確かだ。しかし、「彼らは嘘をつくような生徒ではない」を訳せなくても、英語で自分の考えている事を表現できる可能性はある。言い換えの表現がたくさんあるので、自分の知っている単語と、自分の得意な言い回しから文章を構築すればよいからだ。
一般的に言えば、日本語の英訳を求められるケースよりも、英語で自分の考えを表現する事を求められるケースの方が多い。前者は通訳の時くらいしか使わないだろう。にもかかわらず、日本語の文章を英訳するというテストが行われている。
テスト項目の選定が誤っている可能性もあるし、そもそも要件が特殊(ユースケースに合っていない)可能性もある。前者の場合は、要件を満たしているかの評価が適切に行えないという観点から問題がある。後者の場合は、そもそも教育の観点から問題がある。
という事で、目的、要件定義、それを評価するテスト項目の選定というのは難しいなと思った。