Y 世代の置かれた状況
プレシデント社から刊行されている Thinkers 50 Management という本を買いました。日本語版です。
- 作者: スチュアート・クレイナー、デス・ディアラブ,有賀裕子
- 出版社/メーカー: プレジデント社
- 発売日: 2014/09/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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内容としては、Management に関する名著や方法論を展開している人たちとのインタビューを基に、マネジメントとは何かを考えるという内容です。マネジメントに関する方法論やツールを学ぶにあたってきっかけが欲しいという人に役立つ印象です。高速組織とか、バランス・スコア・カードとか。
本筋とはそれますが、「ミレニアム世代のマネジメント」という章の中で Y 世代と呼ばれる人たちについて取り上げらえています。日本的に言えば、ゆとり世代でしょうか。定義としては 1985 年前後から 2000 年の間に生まれた世代のようです。
主な特徴としては
- 先を急ぐ傾向がある。
- 忍耐が足りず何でもすぐに手に入れたがる。
- その時々を懸命に生きている(与えられた環境に順応しようとしている)。
- 勉学に際しても必ずしも教科書を通読せず、そこかしこから断片的な情報を得る。
- フィードバックとは、ヒントやコーチングと同じ意味なので、常に歓迎の対象。
- 事前にスケジュールを決めずに、土壇場で調整をする。
といったところです。私も Y 世代に分類されますが、入社当時は上司から「いろいろと首を突っ込みすぎ。焦りすぎている節があるからじっくり取り組んだ方がいい」というような事を言われた事があります。
取り巻く環境を見ると、(少なくとも日本に限ったことですが)我々の世代では次のような事が言えます。
- 不況の中で現実的に生活するため就職する事を強いられてきた。
- 一方で自分らしさや強みを持てと煽る人々がいる。
- 社会は成熟し、技術は常に進歩している。もはや全てを深く知っている人は居ない。
- 環境は常に変化していて、自分自身も変化し、進歩し続ける事が求められる。
こういう中でベストを尽くそうとすると、先に挙げられた特徴のような振る舞いになるのかもしれません。
実際、当時の上司は私に与えたミッションとしては、特殊な(フローに沿って対応したり出来合いの資料を見ればこなせるといったようなものではない)案件を与え、「きちんと解決すべき問題を理解し方針を明確にした上で最後までやり切る」といった類が多かったように思います。当時はしんどい状況の連続だったのでそこまで考えは巡りませんでしたので、今振り返れば、そうだったのかなという感じですが。
情報を効率よくすくい取って、最短でのゴールを目指すというのも仕事では大切ですが、やはりそれは仕事を行う上での自身の地盤があってこその結果に過ぎないのかなというところです。