もしも下っ端がリーダーシップの本を読んだら

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年末年始に読んだ本。140ページ程度。

自律したチームを作るためには、リーダーは一挙手一投足の指示 (how) ではなく、挑戦しがいのあるヴィジョン (Why) と、具体的なミッション (What) を提示する必要があるとのこと。具体的な制約条件も示すと尚よい。部下は具体的なミッションを如何なる方法でも良いので遂行する事が求められる。

自身の業務に当てはめて考えてみる。最近は来年度の実証実験実施に向けて、技術動向調査、ニーズの分析、それらを踏まえたコンセプト立案、要件抽出を行っている。

先の話と結び付けて考えると、コンセプトがヴィジョンで、要件が具体的なミッションに該当するかな、という感じ。そのように考えると、要件をクリアできるかどうかを仕様をふまえて机上検討し、それだけでは不十分な側面(主に実装に依存するところ)については実証実験を行うという算段である。

実証実験については、「できる」「できない」という話ではなく、「なぜそのような結果となるか」であるとか「どういった知見を蓄えたいか」といったアウトプットを明確にする必要がある。そうでなければ、本来自分たちで得られるであろうノウハウが水のように流れて行ってしまう懸念があるからだ。技術者にとってデータは命で、知見はひらめきを生む源泉になる。

話を戻すと、前提(制約条件)、コンセプト、そして要件をきちんと定めれば、あとはそれを共有し、「要件をクリアできるか検討する」というミッションを各自で分担して進めれば、あとは物事は勝手に進む筈であった。それがミッションリーダーシップだからだ。そういった意味では間違いはなかったのだが、一つ問題なのは、その分担を任せられる人があまり居なかったというところだ。