本人の資質

最近うちの会社にやってきた人から聞いた中で、特に共感した話。

会社に勤めている人について、その人が偉いかどうかは、その人自身ではなく、その人についている役職や地位ないしは会社自体で決まる場合が多い。

例えば、大手の電機メーカに新卒で採用されたとする。下請けの会社の人は自分よりも年上であったりする。会社の中でも幾分立場が上の人にも関わらず、得意先だからという理由だけで、新入社員に対してへりくだった態度をとったりする。これは、新入社員が優秀だからとか偉いからとはではなく、彼自身が得意先である大手電機メーカの社員であるからだ。要するに、本人の資質とは何ら関係がない。

新入社員を例にとるとすごく分かりやすい、すなわち勘違いしづらいけれども、これが中途半端に経験を積みだすと、切り分けが難しくなる。お客様の立場に慣れてきて、その環境での業務に慣れてくると、自分の能力が上がったのかそれとも単にちやほやされているだけなのか区別が付かなくなる。しかし往々にして、自分の能力というよりかはやはり与えられた環境が力を発揮しているケースが多い。要するに、決定権が備わってきたとかは、(本人の努力の結果が含まれているにせよ)やはり本人の資質とはあまり関係ない。

一度、利害関係が全くない状態の相手と交渉を開始すると、自分の仕事というものはいかに会社の威を借りてきたかがわかる。まずは相手に、自分たちと関わるとメリットになるかを見せないといけないし、話を聞かないと後悔するというように思われないといけない。いや、もしかしたらそのアプローチすら違うのかもしれない。Win-Win もなにも、まずは相手に喜んでもらうところから始めないといけないわけで。