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The High-Velocity Edge - Chapter 8 (1)

The High-Velocity Edge に関する記事一覧は こちら

トヨタにおける Capability 3: Knowledge Sharing について。

Shared Knowledge: Fuel for High Velocity

成功はたった一つのイベントによって得られるものではない。破滅もまた同じように、たった一つの失敗によって導かれるものではない。

破滅が起こり得るのは、多分な小さなインシデントが重なり合う時である。それらが積もると、すぐにシステムは破綻する。

成功を導くためには、良い結果を常に構築していくことが重要だ。

High-Velocity のリーダたちは、他の企業よりもより一貫し、長い期間続けて、小さな勝利を迅速に積み重ねていく。

アルコアは危険を伴うような産業であったが、取り組みを通じて他者が羨むような作業場の安全性を確保することができた。彼らは完全に安全なシステムを構築するために、次の事を行った。

  • 設計に潜む問題を明らかにするため、複雑な作業を管理する。
  • 問題を迅速に改善するため、ナレッジを直ちに構築する。
  • 現場で発見した新しいナレッジを組織全体にシェアする。

この章では、どのように High-Velocity organization が現地で蓄積した学びを組織全体のナレッジとして広げていくかについて述べる。

  • いかにしてトヨタはビジネスにおける基本的な問題に取り組んでいるか。
  • 新しい製品開発において High-Velocity を生む出すような知識をについて、トヨタはそれを獲得しシェアするためのメカニズムをどのように使っているか。

Case: Acceleting North America

BackGround: Global Localization

1970 年代から 1980 年代にかけて、アメリカはトヨタにとって単純な輸出市場ではなく、設計と生産のための場所となっていった。物理的にも文化的にも現地消費者に近づけることで、現地市場のニーズにより合致するような製品の提供を可能にしたいと考えていたのだ。世界のそれぞれの地域に適応する製品作りのためには、マネジメントシステム自体を輸出することを学ぶ必要があった。そのために、新しい設備の導入、新規の従業員雇用、サプライヤのネットワーク拡張という取り組みの中で、他社と対向していくことになった。

Global Localization Fist Steps: NUIMMI

トヨタにとっても、海外事業を拡張するということはチャレンジングな内容であった。トヨタは国内で使っていた偉大なマネジメントシステムのおかげで突出した製品を輸出できていた。世界規模でローカライズされた製品を提供するということは、トヨタ自身も述べているように、単純に企業は製品を輸出する事だけに異存するのではなく、モノを作るためのマネジメントシステムを輸出するための方法を学ぶ必要がある。

トヨタの最初のアプローチは、直面する状況を単純化することにあった。

新しく工場を操業させる時、製造担当者は多くの項目に関して検討をする必要がある。

  • どこに建てるべきか?
  • 何を作るか?
  • どのような製造技術を活用するか?
  • 誰を雇うか?
  • 誰に売るか?
  • その他たくさん

トヨタの設立した連結子会社の NUMMI は既知の事項に基づき、そういった変数の多くを固定化させた。これにより、余計な事を考えずにスピーディに工場を設立させる事ができる。

例えば、彼らは既存の GM の工場を転用した。設備をだけでなく、そこで働いていた従業員も再雇用したのだ。そのため、新しい設備や人的リソースを調達する必要がなくなった。ただし、GM との違いは、トヨタ生産方式を取り入れた事だ。

当初、トヨタは日本から経験豊富なリーダたちを呼び込み、上位の管理者に置いた。しかしこれは、持続的な取り組みにはならない。日本人はテンポラリな存在であり、現地の従業員たちの発展には寄与しないからだ。

そのため、代替手段として、現地の人たちをマネージャとして育てる事になった。

Packaging Toyota Know-How Export

ビジネスとして推し進めていく事のできるレベルに押し上げるためには、グループリーダレベルにまで教育を行き渡らせる必要があった。そのため、多くのコーディネータたちが時間を割き、ある工場からまた別の工場へと転々として教育にあたっていた。これにより、一つの工場に対して数年ごとに操業を開始する事ができるものの、複数の工場を立ち上げたり、短期間のスケジュールの中で工場を立ち上げるということは、やはり困難であった。

ここで、ジレンマが出てくる。マネジメントシステムの輸出という目標を掲げなければ、今よりもより短期的に成果を出す事ができるだろう。しかし、品質面で言えば、やはり当初予定していた強固なものは得られない。売り上げと品質面の両面を追求しなければならない中での選択が必要だった。

最初のステップとして、それぞれの製造現場に現場開発のための権限を与えた。これには、次のようなリスクがあった。それぞれ独自のアプローチでスキルを開発していくため、あるサイトごとにアプローチが異なる事になる。とあるサイトの方法がベストであるなら、別のサイトの方法はおそらくベストではないという事になる。そのため、シナジーを生み出せるようなアプローチに発展させる必要があった。

次のステップとして、Global Production Center を立ち上げた。GPC のトレーナーは、 製造に必要不可欠なスキル(塗装、締め付け、最終組み立てなど)、内部の物流、品質管理、設備保守を明確に定義した。そしてスタッフは基本的な部分のために体系化したガイドラインを積み上げていった。

GPC は製造技術のためのレシピを作成していくだけではなかった。彼らはそこにいるエキスパートたちにインタビューしていき、スキルを得るためにどのように訓練をするかを集めていった。

GPC のチームは製造のためのレシピを持っていただけではなく、そのレシピを伝えていくための仕事の標準化も行っていった。単純なエクササイズで集めた知識をシェアするのは困難であったからだ。

GPC はインタラクティヴなウェブを用いて視覚化したマニュアルを 3000 項目作成した。これで、重要なスキルについてデモンストレーションや説明をするのだ。一つを作成するのに 200 時間、トータルで 300 年分の労働時間が充てられた。これにより非常に多くの労働者たちの能力開発に必要な時間を半分にする事ができた。それでも、GPC はネジの締め付けや組当といった作業を直接教えるという指導方法については、やめることはしなかった。

また、グループリーダは、先に述べたような指導を部下に対して行うというだけでなく、問題の明確化や解決のサポートを部下に対して行うというところも重要な役割の一つと定義されている。

GPC は、トヨタにおけるベストナレッジを収集するとともに、現場の管理のための継続的なプロセスの開発に着手した。

簡単にいうと、彼らは仕事の標準を作ったのだ。
- abnormally management: 何がいつ間違ったのか、を明確にする。
- change-point management: 何か一つの事を別のものに変更する際、混乱を起こすことなく、いかにして準備し、人々を訓練する。

こうした取り組みをする中で、GPC はナレッジを放出にするにあたって、日本からに限定する事はしなかった。ヨーロッパ、アジア、アメリカから担当者を招いて日本のスキル習得を目指す事もした。