ジャズに思う事

東京でジャズのセッションに行ったりすると、同年代の人なんかは大抵自分よりも上手くて、「どうなってるんよ東京」みたいな感じだったりします。で、話してみるとなんかプロ目指しているというか、音楽で生計を立てていこうとしている人だったりするわけです。そういう人が結構多くてびっくりします。

学生の頃に聞いた話やうすうす感じていた事なんかをまとめると、今の時代はわざわざ金払って音楽を聴こうっていう人は少なく、打ち込みやカラオケが発達していて生演奏なんて必要とされておらずといった状況のようです。で、わざわざジャズなんかの音楽を好き好んで聴こうとする輩は耳が肥えてしまっていて、無名のミュージシャンが「音楽を演奏する事」で生計を立てていくのはかなり厳しいという認識です。慶應大学や早稲田大学なんかの学生でもプロ並みに演奏が上手い人なんかが居ても、サラリーマンになった方が所得が高いのでミュージシャンにならないとか、そういう感じみたいです。確かにそうだわ。

こういった前提で、ミュージシャンが「売れるためにはどうしたら良いか」みたいな事を考えないといけない訳ですが、そりゃあもう厳しいよねという気がします。聴く人に響く演奏ができるよう技術を高めるとか感性を研ぎすませるとか差別化するとか言っても、そもそも聴く人があまり居ないという。せっかく良い演奏をする人が沢山いるのに、とてももったいない事です。

というわけで、もっと一般の人がジャズに触れられる環境を整えられれば良いのに、と最近思っています。それこそ、普段の飲み会くらいの値段に 1000 円か高くても 2000 円のせるだけで、無名の名演が気軽に聴ける環境。Japan Jazz が「女子ジャズ」とか特集を組んでいましたが、それをジャズの雑誌でやっても意味なくて、大人ガーリーなファッション誌でやったらええやん、っていう。言うのは簡単だけど、実際に実現するのは難しいんだろうなぁ。

ただ現状は、リスナよりもプレイヤを顧客としている店がほとんどなのかなと思います。Cotton Club や Blue Note なんかはリスナも多いのかもしれませんが、ちょっと高いですよね。