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気球基地局に思う事

ソフトバンク、気球を使った無線中継システムの実験結果を報告 - ケータイ Watch

ソフトバンクの実証実験で、気球を使ってリピーター(無線中継装置)によるエリア化をさせようというものです。災害対策ですね。こういった取り組み自体はよい事だと思いますが、実際のところは実現が難しいだろうなぁという印象です。

まず、災害と聞くと真っ先に思い浮かぶのは地震でしょうか。やはり東日本大震災の印象というのはとても強く、あれほどインフラが破壊されて絶望的だった事というのはそうそうないと思います。今回の実証実験も、それを意識しての事かと思います。

しかし、実際には地震よりも大型台風の方がインフラに影響を与える頻度としては高かったりします。docomo のサイトをみても、確かに地震による障害というのは発生していますが、それよりかはやはり台風の方が多いです。

冷静に考えて、大雨や台風の中で気球を飛ばすのは難しいです。車載基地局でも、台風が落ち着いてきたところでようやく稼働できるという代物で、それでも(アンテナを上げる構成上)風速に気をつけなければなりません。

それだったら大型地震の時にだけ使えばいいじゃないかと思うかもしれません。が、普段立ち上げていないような気球基地局を、有事の際に迅速に立ち上げられるかといわれるとなかなか厳しい。何故ならリピーターなので、親となる基地局、取りたいエリア、実際に設置できそうな候補地など、さまざまな条件を考慮して基地局をサービスインさせる必要があるからです。ただ立ち上げただけでは、お客さんに使ってもらえるエリアが作れないという可能性があるという事です。それを、ほとんど実績のない中でやらないといけないというのはかなりハードルが高いと言えます。

車載基地局もそれ相応の訓練をしたり年に何回か出動する事で、少しずつ対応者が経験を積んでいくものであったりします。また車載基地局の多くはマクロ基地局であるため、(パラメータ設計はする必要はあるものの)使えないエリアに放り込みさえすればそれなりに使えるという手軽さも(といっても全然手軽ではないですが)あります。

商用としてサービスするにあたって「誰でも迅速に対応できる事」というのはかなり重要です。研究とか実証実験だと、とりあえずできるかできないかの段階なのであまりそういった事は意識しませんが、最終的にはそこを考えないと、世の中を救う事は残念ながらできないという話でした。