韓国出張で、とある大企業を見たり聞いたりした話。
以下、一般的かどうかわからない話。
福利厚生と企業の雰囲気
日本の福利厚生と韓国の福利厚生は毛色が違うとの事。日本だと、交通費、住宅手当、保養所、社割というのが一般的な福利厚生のイメージ。一方で韓国の場合、(住宅手当は無いが)三食社食が無料、(交通費は出ないが)送迎バスがある、といった感じらしい。拠点の中には卓球場やらフィットネスやら色々と揃っていて、一つの街のようになっている。
日本の場合は、家庭と会社が完全に分離しているような印象があるが、韓国の場合は会社も一つの家族のような共同体なのかもしれない。実際、社内の雰囲気はとてもリラックスしている。服装は自由だし、皆の喋り声で溢れている。
人柄
大らかな人が多かった。仕事にも協力的。やりたい事、背景、根拠をきちんと説明すると、真摯に対応してくれる。ミーティングの時にはちょっと怖そうな雰囲気だった人も、帰り際には「カムサハムニダ〜」と笑顔で見送ってくれるという感じ。
向上心と就職難
通訳の人は、会社に通いながら更に博士課程で勉強をしているという話をしていた。「すごいなー」と日本人の一同が感心していたが、韓国の人から言わせると、「そこまですごくは無い」という事らしい。韓国では就職難はかなり深刻らしく、常に向上心を持って自身の能力を上げていかなければ生きていけないそうだ。
無題。
小林麻央さんが亡くなった。34 歳、おおよそ三年間(実際には 2 年 8 カ月とのこと)の間、がんと闘病していたようだ。
自分が今からがんになったとして、2 年 8 カ月でどのような人生が送れるだろうか。上の子供は小学生になり、下の子供は幼稚園に通っていると想定される。
過去 3 年間を振り返ってみると、自分自身は大した成長があるかどうかは微妙である。しかし、子供たちの成長を振り返ってみると目を見張るものがある。三年というのは短いようであるが、非常にかけがえのない時間だ。
中学校も 3 年間だし、高校生も 3 年間。大学生は 4 年間だけれど、学部で基礎的な勉強をするのは 3
年間だ。学部 4 年目からは研究室に配属され、修士課程に進めば計 3 年間研究に打ち込む事になる。
長く生きるという事は望ましい事だが、それが幸せになるための必要条件でも十分条件でもない。重要なのは、何ができるか、その先に何があるかを見定めることなのかなと思った。
おそらく、子供たちは今の調子で 3 年ごとに成長していけば、幸せな人生を送るための基礎を持った人間になっているだろう。そういった展望、確度を高めていく事が、人生にとって重要だ。そのためは長い年月が助けになるが、それがすべてではない。
NEC Lavie Note Mobile
ASUS VivoBook E200HA の調子が悪く、NECE Lavie Note Mobile を新規に購入した。モデルは量販店の最低スペック。
基本性能
CPU, memory, Wi-Fi のスペックはそれほど良くないがブラウジング、Office (PowerPoint, Word, Excel) の利用には耐えられる。ファンレスなので音も気にならないし、SSD なので起動も早い。
Capture One(RAW 現像ソフト)を起動させて、写真の編集なんかをすると、ワンテンポずれるような感じはある(Adobe Lightroom for iPad のようなタイムラグ)が、慣れれば普通に使えるかなという印象。
いずれにせよ、ディスプレイサイズが 11 inch なので、あまりヘビーな作業をやろうという気にはならない。HDMI で大きなディスプレイに繋いでバリバリと作業したいというのであれば、CPU 等のスペックを上げるのが良いのかも。
ちなみに、Wi-Fi のスペックは 400Mbps 程度と、他モデルより低い。通販だと +1000円で 800Mbps 程度に上げられるが、サポートしている変調方式の差なのか MIMO ストリーム数の差なのかは良くわからない。前者であれば実環境ではさほど実行スループットはあまり変わらないのではないかなとは思う。
バッテリー
公称 13 時間程度とのことだけれど、そこまで持つ印象はない。Dropbox やら Skype やらいろいろ動いているからだろうか。そもそも、Chrome の消費電力が大きいという話もあるので、使い方なのかもしれない。
とはいえ、ブラウジングしながら OneNote, word, Excel を使って情報をまとめたりするくらいであれば、4時間くらいは普通に持つ感じ。ちなみに Skype で DMM 英会話をしたら、30 分で 10% くらいバッテリーが減った。
キーボード
少し打ちづらい気もする。ASUS のキーボードは良かった。ただ、Lavie Note Mobile も慣れれば問題なくタイピングできる。半角ボタンが ESC と F1 の間にあるのがちょっと微妙かなという気もする。これに慣れてくると、会社等で使っている PC で半角全角変換ボタンを押そうとしてうっかり F1 ボタンでヘルプを呼び出したりしてしまう。
インタフェース
SD, HDMI, イヤフォンジャック、USB が 2 つ。全部背面に付いているのが面白い。カフェなんかだと、電源をさしてしまうと背面をぴったりとカウンター奥に付けられなくなるのが難点となる。ただ、ケーブル類が横にのびなくなるので、それはそれで良いのかもしれない。
ちなみに、カメラがヒンジ部分についているのは微妙。Skype しながらキーボードを叩くと、相手に手が映ってしまう。また、カメラが見上げるような画になる(下から映す)ので、ちょっと傲慢な感じの印象を相手に与えるかもしれない。
サウンド
PC 内蔵のスピーカーはイマイチ。チャットするならヘッドセットは必須だろう。ヘッドフォンをすると、音質は良い。
突如として大変な案件に放り込まれた話
4 月から体制変更という事で、突如として(予告はあったものの)大変なプロジェクトに放り込まれることとなった。
OODA に当てはめると下記のような感じ。
状況把握
一週間の状況を観察すると、以下のような状況であった。
スケジュールが明確となっていない
一つずつのプロジェクトの完了時期は明確になっているものの、それまでにどういうステップをどの時期までに実施するかというものが明文化されていない。ガントチャートもなければ、プロジェクト計画書もない。そのため、アクションアイテムもない。
要員計画が明確となっていない
スケジュールが怪しいので、要員計画もざっっくりとしている。現状、3 人がアサインされているが、これが適正人数なのかも評価できない状況となっている。
予算管理ができていない
スケジュールが怪しいので、やはり予実管理もできない。よそからみると、突然お金を使いますと言い出し始めたり、いつのまにかお金が使われているような状況に見える。
方向性
- 個々がパフォーマンスを出すためには見える化が必要
- どのプロジェクトも現状不確定要素が多く、詳細なガントチャートを作ることはしない
- 各プロジェクトの目的を明確にした上で、その目的を達成するための条件を Mission を定め、それぞれの Mission の期限を仮設定する
- Mission をドリルダウンしていき、アクションアイテムを設定する
- アクションアイテムも、当然、進捗が上がれば消化されていくが、逆に、アクションアイテムを消化する事や状況の変化、新たな発見によってアクションアイテムが増えるケースもある。
- アクションアイテムの総数はプロジェクトの完遂に近づくにつれ漸近していく
- 初期のヴェロシティはアクションアイテムの総数を増やす事で評価する事になる
- 中期、後期にしたがい、アクションアイテムの達成率が重要な指標になる
- 各プロジェクトの一元管理ができてきたタイミングで、お金の予実管理もできるように統合していく
判断
- プロジェクトの遂行についてはチーム内のリソースにて消化していく
- お金の管理については、部全体の最適化が必要であることから、別途部として体制を構築した上で管理フローを整理する
通訳について
今日、中国の企業の人たちとミーティングする機会があったのだけれど、相手の考えが全然理解できなくて困った。
相手の人たちは中国出身であり、そのミーティングに参加した同僚も中国出身であったため、ミーティングは中国語で行われ、自分だけのために通訳が入るという状況であった。
会話のペースが早いというところもあったが、基本的には通訳の人は適切に通訳をしてくれていたように感じる。しかし、その訳された言葉が全然頭に入ってこない。
普段日本語や(拙い)英語でどうしているかを考えてみると、全ての文章一つ一つを理解しようとはしていない。おそらく、聞いた文章を一字一句書けと言われれば、無理だ。会話であれば、せいぜいアクセントの強い単語をピックアップして話の流れを感じ取っているだけだろうし、文章でも拾い読みする事が多い。引っかかるところがあれば、会話の場合はインタラプトすればよいし、文章であればきちんとその部分だけ読み直せばよい。
通訳を介すると、そういったメリハリがなくなってしまう。通訳の人も、私見を排除する目的であえてアクセントといった抑揚をなくしている(淡々と翻訳していく)のかもしれない。そういった言葉は、少なくとも自分の場合は頭に入ってこないし、通訳によるタイムラグがあるため、適切なタイミングで割り込みもかけれない。
よくよく考えてみれば、日本語でも、淡々と読み上げるだけのプレゼンや、カミカミのプレゼンなんかはちっとも頭に入ってこない。それは、無意識のうちに強調されたワードだけを頭で拾っているからなのではないかと思う。逆に、言えば、どうでもよいところは流暢に失敗なく読み、必要なところだけ強調して話せば、聞き手はあらかたわかった気になれるのではないか。
話を戻すと、自分の言葉で喋る事、相手の言葉を理解する事は、お互いの理解をスムーズに深めるためには重要なのではないかと感じた。世の中には、「英語なんて勉強しなくても、必要なな時には通訳を雇えばよい」という意見もあり、それも一理あると思う。しかし、自分が使える言語で会話をするというのがニュアンスを感じ取って理解するためには不可欠だなと思った出来事であった。
プレゼンのストーリーラインテンプレ:新規技術導入編
メモ。
- プレゼンのストーリーライン形式のためのテンプレ
- 会社に勤めている技術者向け
- 新しい技術の紹介用
- 質問に答える形式でストーリー形成
- 聞きたい事が次のスライドに来るような流れをデザインするため
- タイトルは質問回答形式にする必要はなく、前スライドから誘導できればそれでよい
何故、その技術の話をしようと思ったの?
話がしたいというのは、何かしら腹づもりがあるから。聞き手は、自分にメリットがある話の方が興味を持ちやすい。なので、まずはニーズを話す。
- 何故その技術が必要か?
- どういったニーズがあってこの話を取り上げているか?
その技術って何なの?
ニーズがわかると、その技術に興味がようやく出て来る。ここで、技術の概要とその技術が生み出すメリットについて触れる。概要がわからないと、メリットに説得力が出てこない。逆に言えば、紹介程度のプレゼンであればメリットが伝わる程度の概要が望ましい。
- 概要
- メリット
- ニーズにマッチする理由
じゃあすぐに使おうよ
メリットを聞くと誰もが思う。何故今まで使っていないのか。それは往々にして、現状の環境ではデメリットが出るからだ。
- 現状の環境では使えない理由
- 特徴を踏まえたデメリット
じゃあ使えないじゃん
デメリットがあってもあきらめてはいけない。解決すれば上手くいくという希望が必要。
- そういうわけでもない
- 前提や環境をどう変えていけば適応できるか
いったんまとめるとどうなるの?
だいたいここら辺で比較材料がそろうので一度頭を整理してもらう。
- メリット、デメリットをいったん整理
- 何を変えていけば適応が見込めるか
よそはどうなってるの?
ここで、自分たちの整理が妥当なのかが気になる。簡単なのは、競合がどういう、腹づもりなのか考察すること。メリットデメリット整理と、他社動向に辻褄が合っていれば、ひとまずロジックに間違いはないという結論が出せる。また、自分たちの戦略立案の材料にもなる。
- 業界の動向
- 競合他社
- 整理したメリットやデメリットを踏まえた、競合他社の戦略の考察
- 何のためにやっているのか?
- リスクやデメリットをどうとらえているのか?
自社はどう進めるべき?
最後に、取り巻く外部環境、自分たちの状況を踏まえて結論を出す。
- 自分たちの現状分析
- メリットデメリットを踏まえた取るべき戦略
成長について
最近、楽器を弾くのをやめてしまった。実際には、全く弾かないという事でもないのだけれど、少なくとも練習は一切しなくなってしまった。楽器を弾く事に成長の可能性が見いだせなくなったためだ。
最近明確に認識出来るようになった事がある。自分にとって、飽きるかどうかは成長の要素があるかどうかで決まるという事だ。上達しなくなるとやめてしまう。もちろん、上達というのは自分と向き合うという側面もあるので、しばらく上達しないような期間でも根気よく続けていけば、ある瞬間からまた成長が見込めるという事もある。ただ、今の時期はそういった部分に根気よく時間を割くような状況ではないというところが大きい。
まぁそれは置いておいて、成長するためにはどうしたらいいか、という事について考える。
そもそも成長とは何か。これは、「今まで出来なかった事が出来るようになる」という事だ。成長の可能性があるという事は、「今まで出来なかった事が出来るようになる可能性がある」という事だ。
「今まで出来なかった事が出来るようになる」ためには、二つのアプローチがある。
- 自分の capability を上げる
- 自分の capability を別の領域で活用する
前者は、楽器でいうところの「ベースを弾き続けてその腕を上げていく事」であり、後者は「ベースの弾き方を応用して、ウクレレを弾く事」に近い。
後者については、それを成長とみなせるかは微妙なところである。潜在的に出来ていた事が、明確に実証されただけとも言える。一方で、実は「ベースを弾く」という限定的な技術を蓄えていただけかと思っていたが、実際には少しの改変で応用できるような、汎用的な技術を蓄えていたとも捉えられる。そういった認識が出来るようになれば、今後は知識や技術はなるべく汎用的な形に変換して自身のスキルとしていこうという意識が生まれるので良いかもしれない。
ある知識やスキルというのは、それ自体がある分野でさほど先進的ではない場合にも、別の領域に持っていったら先進的な概念に早変わりするという事がある。ドラえもんの未来の道具は、未来の世界では当たり前という事と同じだ。そうなると、組み合わせる事自体が先進的な概念になる可能性があるし、組み合わせるに当たって先進的な視点が必要となる場合もある。特に後者の過程では成長が見込めるのではないかなと思う。
個人の状況としては、効率を優先するあまり、組み合わせによる成長ばかりにウェイトを取りすぎている気がする。特に 30 歳を過ぎてからはそれが強い。歳を取って新たに学ぶ意欲が低下している兆候かもしれない。なので、意識的に基礎的な知識を一つずつ積み上げていくという事をやっていかないと、長期的な成長が期待できなくなる可能性があるなと思った。