目指せワークライフバランス確立

残業時間を減らす事になった話。

背景

会社の偉い人たちが「19:00 以降残業禁止!!」という方針を作った。昨今の社会情勢を鑑みた決定らしい。残業禁止にする以外に具体的な意思決定は無い(例えば、外部委託化を含めた業務のリストラクチャリングをするとか、業務の効率化のために新しいシステムを入れるとか)ので、今まで通り「現場で考えろ!」という強気の体育会系スタンスだ。裁量のある会社だ。

前提

フルに働いたとして、9:00 開始、19:00 終了、1 時間休憩という事で実働労働時間は毎日 9 時間という事になる。
ちなみに、水曜日はノー残業デーなので 17:30 退社。

前残業はオッケーかというところはグレーだが、前残業してトータルの労働時間は同じだとあまり本質的な話になっていないので、9 時間をやりくりするという前提にする。

なお、我々の部署に業務効率化ツールなどという都合のいいソフトウェアは存在しない。あるとすれば Windows から生じる Office 製品だけだ(Word, Excel, PowerPoint, Outlook, OneNote...)

目標設定

勤務管理システムで実績を見てみると、月の残業時間はおおむね 40 時間である。週に 10 時間くらいの残業という事になる。1 日はノー残業デーなので、4 日で 10 時間だ。すなわち、1 日あたりの残業時間は 2.5 時間という事になる。だから、9:00 に出社していれば退社は平均して 20:00 という計算だ。

という事は、毎日 1 時間早く帰れば達成である。水曜日以外の労働時間を 10 時間から 9 時間にするのだから、業務的には 10% 削減すれば達成できる数値。そう考えるといけそうだ。

現状分析

主な業務プロセスは次の通り。備考として、それぞれは完全に排他的にはなっていない(例えば打ち合わせと方針立てはオーバラップしている部分もある)。

  • 方針や戦略立て、ないしはそろった材料から結論を導くためのブレスト
  • 考えた事を資料化
  • 資料を使って報告(上司、グループ内、他部署など)
  • 打ち合わせ(社内外含む)
  • 技術動向調査
  • スケジュール調整、メール処理
  • その他雑務

これらの業務プロセスを組み合わせたものが業務フローとなるので、フローを作る。詳細は割愛するが、結局、フローを通していく上で必ず通るのが資料化と報告となった。体感的にも、資料ばっかり作っている気がする。という事で、資料作りを削減することにした。

ちなみに、削減するのは「コア業務、ノンコア業務」「クリエイティヴ業務、ノンクリエイティヴ業務」というマトリックスで切ったときに、「ノンコアかつノンクリエイティヴ」(要するにしょうもない作業)なところがベスト。資料作りについても、例えば部長レベルに報告するような場合は、それが一種のゲート(そこを通ればある種部内の総意と言える)なので、コア業務と位置付けてきちんと作る(部長をパスできれば、それは部外や社外に一応出せるものになるから)。一方で、グループ内のシェアについては、考えが伝わればよいので、まずはラフなものでよい(削減対象)という考え方。

削減方法

主に、「自分の考えを伝えるための資料作成」や「資料を作るためのたたき台」を簡素化するというアプローチ。

  • ブレストは紙とペンで行う。アナログに回帰。
  • 描いたものはスキャナで取り込んで Microsoft OneNote で管理。
    • 必要に応じて注釈などをワードでつける。

メリット

  • 手書きだと思いのほか頭が働く。楽器やってると頭がクリアになってくるので、やはり手を動かすというのは脳に良いのかもしれない。
  • 案外早い。文字はタイピングの方が早いが、ラフな図などを書くときには圧倒的に手書きが有利だ。

デメリット

  • 字が下手だと、何を書いているかほかの人が分かりづらい。
  • 注目すべき箇所を強調しづらい(スキャンする前に蛍光ペンなどで色付けした方がよい)。

KPI

ひとまず、下記が見えるようにエクセルで管理している。

  • 実労働時間を 9 時間以下に抑える。
  • コア業務に割く時間を 20% とする。

20% というのは パレートの法則 から出している。要するに根拠はなく、経験的なもの。

アウトプットが出せているかは KPI に含めない。何故かというと、アウトプットについては半年毎に査定を受けているから。すなわち、アウトプットは出す前提、別のところで管理されているから。

その他

今後の削減の方向性としては

  • メールでの情報共有をやめる(ほかの方法があるかは不明)
  • 打ち合わせの時間を減らす
    • 事前に自分の主張をラフな資料にまとめておく
    • 無駄口を叩かない
    • 無駄な打ち合わせに巻き込まれない
    • ToDo を明確にする

といったところ。動向調査といった外出はコア業務なので、なるべく減らしたくない。

加えて、9 時間で収まらないケースを想定しておく。例えば、部長よりもさらに偉い人に説明するための資料といった準備であるとか、検証や出張などで物理的に時間がかかってしまう(が、重要なので削減できない)ケースがそれにあたる。

KPI の達成状況を見て、うまくいきそうだったら継続予定。

社内に技術を持っている事の重要さ

ここ数年の考え方として技術は買ってくれば良いと思っていたが、最近はそうでもない、すなわち技術やノウハウを自社で持つのは重要なのかなと思うようになってきた。

まず、技術を買えば良いという考え方の理由としては、技術自体がどこの会社でもあまり差別化要素にならなくなってきた事が挙げられる。ある製品について、他者に絶対的に優っているから売れているという事例を挙げろと言われた時、そういうのはあまりないよね、という話になる。極端な話、大きい会社は競合の追従を金で解決するだけでも、そこそこやっていける。技術開発のスピードや陳腐化も早くなってきた上に、一つの技術が支配的状況を作り出す訳ではないという前提であれば、目利きのある人が必要な技術を買ってきて、それを組み合わせるのが良いという話だ。

一方で、そうもいかないと思うようになってきたのは、「それぞれの技術を自分たちの中に組み込みづらい環境がある」という事実だ。

1点目は、技術の切り売りが難しいという点。先にも述べたように、技術が状況を支配しないので、技術を作る人たちはソリューションとセットで考える時代に入っている。買い手によっては、そのソリューションではなく、そのソリューションに使われている一部分が欲しいという時もあるが、売り手はそれを許容できない(旨味があまりない)という話になる場合もある。そうなると、スピード感がいきなり落ちる。

2点目は、「使えるかどうかわからない技術の話を他企業に聞く」というのがなかなか無駄なエネルギーを使うという点だ。結局、何か課題を解決するための技術を探しているという状態というのは、具体的な実施計画がないいわば育つか分からないけどとりあえず畑を耕しに行ったり種まきをしたりという状態である事が多い。話を聞かれる方としては、「そこでうちに金払ってくれるの、それとも話聞いて知見だけ取って終わる気なの」という疑問が当然湧く。技術が欲しい方は話を聞かないとお金を払えるかもわからないけど、技術を持っている方はお金を払ってくれないとやはり話を含めて技術を出したくない、というチキンエッグになる。

自社で技術や知見を持てば持つほど、こういった企業間の硬直状態というのは生まれづらい。なので、技術を持っている会社というのは、この硬直を和らげる事ができるので、新しいものや組み合わせを生み出しやすいのではないかと思う。もちろん、一人一人がこういう話をすることに抵抗の無い状況(忙しく無い)であり、社内で情報の交換が頻繁に行われるという前提はある。

知識と技術の違いについて

今の部署に異動した時に別のグループのリーダと話をしていた中で感じた事。

そのグループは、提供しているサービスの中で生じている技術的な課題をソフトウェア観点で解決するような業務を行っている。曰く、そのチームのある分野における知見は世界的に見てもトップクラスであるとのこと。

一方で、凡ミスを行うケースもあるという。ある製品の導入やパラメータ変更の提案が来たとき、その変化による品質劣化を予見出来ず、結果としてサービスに対して悪い影響を与えてしまうというケースもあるという。そういった問題は、後になって振り返ると「当然そうなるよね」と結論付ける事ができる程度の混入であるという。

この二つの事実は、同じグループで起きているという。一つの結論として、グループの人数が多いことによるスキルのばらつきがあるという事で、勉強会を開くといったところで解消を図っているという。

具体的な解決方法については正直自分にはまだ確たるものは出てこないが、こういった事象を説明するにあたって必要なのは、知識と技術を明確に分ける(定義する)という事ではないかと感じる。

何が言いたいか。

知識というのは、知っているという事だ。「ジャガイモの芽に毒がある」というのが知識にあたる。技術はどうか「ジャガイモの芽を取る技術」なんかはあるかもしれない。「できること」であるというのは、技術を説明するための一要素だろう。

ところで、先進的な仕事をするためには知識を活用できなければならない。例えば「シチューを作る」というところで、「ジャガイモを使いたい」というモチベーションが生まれ、その中で「ジャガイモの芽に毒がある」という知識をもとに「ジャガイモの芽を取る」というスキルが必要になる。重要なのは、シチューを作るという工程の中で、「ジャガイモの芽に毒がある」事に気付けるか、「ジャガイモの芽を取ろう」という発想になるかどうかだ。シチューの例で言えば当たり前じゃないかという話になるが、それが複雑な構成、複雑な装置、複雑なパラメータで形成される場合、何がジャガイモの芽になるかすら見当がつかないという事もある。

「知識を身に着ける」という事は「ジャガイモの芽に毒がある事を知っている」という事。「技術を身に着ける」というのは「シチューを作る時にジャガイモの芽を取るという発想ができる」という事なのかなと最近は思っている。

本人の資質

最近うちの会社にやってきた人から聞いた中で、特に共感した話。

会社に勤めている人について、その人が偉いかどうかは、その人自身ではなく、その人についている役職や地位ないしは会社自体で決まる場合が多い。

例えば、大手の電機メーカに新卒で採用されたとする。下請けの会社の人は自分よりも年上であったりする。会社の中でも幾分立場が上の人にも関わらず、得意先だからという理由だけで、新入社員に対してへりくだった態度をとったりする。これは、新入社員が優秀だからとか偉いからとはではなく、彼自身が得意先である大手電機メーカの社員であるからだ。要するに、本人の資質とは何ら関係がない。

新入社員を例にとるとすごく分かりやすい、すなわち勘違いしづらいけれども、これが中途半端に経験を積みだすと、切り分けが難しくなる。お客様の立場に慣れてきて、その環境での業務に慣れてくると、自分の能力が上がったのかそれとも単にちやほやされているだけなのか区別が付かなくなる。しかし往々にして、自分の能力というよりかはやはり与えられた環境が力を発揮しているケースが多い。要するに、決定権が備わってきたとかは、(本人の努力の結果が含まれているにせよ)やはり本人の資質とはあまり関係ない。

一度、利害関係が全くない状態の相手と交渉を開始すると、自分の仕事というものはいかに会社の威を借りてきたかがわかる。まずは相手に、自分たちと関わるとメリットになるかを見せないといけないし、話を聞かないと後悔するというように思われないといけない。いや、もしかしたらそのアプローチすら違うのかもしれない。Win-Win もなにも、まずは相手に喜んでもらうところから始めないといけないわけで。

個人的メモ

異動した部署は裁量労働制ということで、家でも仕事できるような PC を探す。
会社の PC にリモートアクセスするだけなので、マシンパワーは要らないので軽くて安くてキーボードがまともなやつということで、ASUS で良いかなーと思っている今日この頃。

http://www.biccamera.com/bc/disp/CSfGoodsPage_001.jsp?GOODS_NO=3467345

新卒は売り手市場らしい

過去最高の就活「売り手市場」は来年も続く? | 就職・転職 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

http://toyokeizai.net/articles/-/119847

以下の文章は、あくまで個人的な印象や見解です。実際のデータや事実と大きく乖離している可能性があります(というか、文章とはそういうものですよね・・・)。

新卒は売り手市場らしい。確かにそうだろう。うちの会社も毎年入社する新入社員の数は増えている。新入社員に話を聞いて見ると、大学の推薦枠は余ってるらしいし、そんなこんなで通信なんて専攻なかったし、基本情報なんかも会社入って取る予定だし、Linux なんかも触ったことがないとかいう感じ。通信に携わる会社なのに。。。まぁ、知識なんて自分の努力次第でどうにでもなるし、環境が整っていればどんどん蓄えられるから、問題ないといえばそれも一理ある。

うちの会社の新卒は皆総合職採用なので、将来のマネジメントを担うような視野の広い人材を確保したいというところなのだろう。しかし最近思うのは、マネジメントをするにしても何にしても、深さを追い求める姿勢(というか習慣)だけは持って欲しい。

技術者に求められる知識の形は、山のような形だ(と、大学の時に先生から教わった)。尖った知識や技術を持つには、それに付随するように周辺知識もきちんと押さえる必要がある。今思うと、仕事をする上ではその裾野として一般教養や立ち振る舞いも必要だ。

仕事をするにしても、プロというものは、アウトプットに対して自らラインを定め、そこに対して一切の妥協をしない。例えば、処置により全体の品質が統計的に良くなったとしても、それによって悪影響のでるお客さんがいれば、それは改善にはならない(みたいなことを、会社入って 3 年間くらいはずっと叩き込まれた)。
そういった考え方というのは、ぼやっと働いているだけではいつまで経っても身に付かないのだろう。自分の場合は週に 5 回は怒られてようやくといった感じだであった。

実際のところはどうか分からないが、自分の場合、尖った部分を持とうと思い続けない限り、その周りの盛り上がりもできてこないし、裾野も生まれないと思っている。自分の想いがないまま流されるまま漫然と知識を貯めていっても、それを使いこなせる日は来ないだろう。

という、自戒。

MVNO は安いのか

家計費をみると、家族で 2 万円以上も通信費を使っている。auスマホ 2 台と、ひかり回線。スマートバリューに入っていて毎月割引がされているが、それでも 2 年以上使っているので割引率も下がっている。

これを mineo の au プランに変えると、スマートフォンの利用料が 2 台 で 13000 円程度(LTE フラット 7GB のプラン。毎月割含む)だったのが、3700 円程度で収まる見込み(自分は 5GB, 妻は 3GB のプランとして)になる。電話もそこまで使わないし、データ通信も余らせるような人はかなり余計にお金を払っているという事なのだろうか?

では、余分な契約をしなければ安くなるのだろうか。au で契約するとして、次のプランが選べる。

  • 通話定額 + 低いデータ容量
  • 通話定額なし + 7GB 固定

これを、通話定額なしで低いデータ通信容量を選ぶとどうなるか(実際には次のような契約はできない)。

  • 通話:LTE プラン 934 円(通話料料金は 30 秒 20 円)
  • インターネット接続:LTE NET 300 円(メールアドレス込み)
  • データ通信:5000 円(5GB として)

通話定額が外せたとしても 7000 円近くの金額になる。要するに、そもそもとして余らせようが何しようが割高になる。総務省MVNO 普及を推進している理由として、ライトユーザに対して割安なプランがないことが挙げられているが、こうやってみると実際のところ割安なプランは作れないのだろう。MVNO は昼間にパケ詰まりがあるなど、ネットワークの品質が MNO と同等というわけではないから仕方ないけれど、もう少し落とし所があってもよい気もする。

我々は普段通信事業者に払っている代金を通信費といっているが、通信事業者はインフラ投資以外にも、営業、お客様センタでのサポートなどの費用がかかるわけで、そういったところを含めて利益を出すためには一人当たりの収益を落としたくない(というより落とせない)という事情がある。結果として、強調的寡占になっているという指摘だ。

では、MVNO の差別化要素であるショップの存在や、コールセンタが、費用にあったものであるか。ショップなんて機種変更くらいでしか行かないし、いっても特に良い気分で帰る事はない。コールセンタも掛けてもなかなか繋がらなかったりするし、そもそもかけることなんてない。強いて言えば、端末が壊れた時にコールセンタに電話して、保証で 4000 円程度で同等品を購入できたというのはあるけれど、それでもお得感は無いかなという感じ。

話を戻すと、結局 MNO の料金設定が高いと感じるのは、どこに払った分のリターンがあるかわかりづらいというところだろう。MVNO と比較して月 5000 円程度高くなるのが、昼間パケ詰まりしないようなネットワークのためなのか、ショップやコールセンタで手厚いサポートを受けられるからなのか、それとも他のところなのか。ないしは、もうちょっと使う人に沿ったプラン設定ができると良いのかもしれない。

例えば、YouTube などのビデオストリーミングでは一定の帯域制限がかけられるけど、昼間にパケ詰まりするほど悪くはならないので価格は MVNO より 1000 円高いくらい、とか。 結局、このままだとほとんどみんな MVNO に乗り換えていくだろうし。